【扁平上皮癌との闘病日記】恩返ししなくちゃ

今日は予定通り、実家に帰って福ちゃんを病院に連れて行って来た。臭いがキツイためタクシーは無理だったから、仕方なくレンタカーを借りた。今回はかかりつけ医ではなく、比較的近くに腫瘍専門の獣医師さんが居る病院があったので、そこで診てもらうことにした。

病院に行く前に、シャンプーをしてあげた。一応エチケットとして、綺麗にしていかないとなと思って。約15年一緒にいて、初めてシャンプーしたよ。めっっっちゃ嫌がってた。僕は福ちゃんに嫌われたくないから、いつもこういう役はお母さんに任せていたんだけど。虐待してるみたいで辛かった。ただでさえ病気で苦しんでいるのに、そんな時に大嫌いなシャンプーなんかしてごめんよ。しかもこのシャンプー、後で大きく後悔することになるんだ…

で、レンタカーを取りに行って即病院へ。15時開店だったので、15時少し前には着くようにした。即行で行って即行で帰ってくる作戦。一番に受付すれば、福ちゃんの大嫌いな病院に長居しなくて済むからね。

今回行った目的は、痛みや辛さを少しでもやわらげてあげたいと思ったから。根治なんて無理だと分かっていたし、福ちゃんへの負担も大きいから積極的な治療はハナからやらないつもりでいた。

それと、僕が自分の中で、きちんと福ちゃんの現状を認識しておきたかったから。癌だっていうのは分かっていたけど、それはあくまで両親から間接的に聞いた話。何の癌かとか、どれくらい進行しているのかとか、余命がどれくらいなのかとか具体的なことは何も聞いていなかった。気持ちの整理をしたり、覚悟をちゃんと決めるため、そうしておくことが必要だと思ったんだよね。

ということで行ってきたわけだけど、結論から言うと、福ちゃんは「扁平上皮癌」という癌を患っているようだ。問診と目視だけですぐに分かったみたい。色々ググった結果、僕もそれだろうなぁとは薄々思っていたけど、これって数ある病気の中でも、かなり残酷な部類のやつなんだよね。組織が壊死して、顔面がどんどん自壊していく病気。ちなみにググれば衝撃的な写真が沢山出てくる。

まさか自分の愛猫が、こんな残酷な病気に罹るなんてさ。福ちゃんが何したってんだよ。

ちょっと気が強いけど、甘えん坊で寂しがり屋で、僕が帰ってくると足音で気配を察知して玄関までダッシュ迎えに来て、甘い声で嬉しそうに鳴きまくって。トイレに付いて来て膝の上に乗せてくれとよくせがまれたりもしてたな。膝に乗せてあげると喉を鳴らしてしばらく動かない。それでよく高校を遅刻してたっけ。寝るときは基本的に僕の部屋か両親の部屋のベッドの足元。寒くなるとたまに布団に自分から潜って来て一緒に寝たりもしてた。僕や僕の家族に沢山の幸せをくれた福ちゃん。何にも悪いことなんかしていないのに、なんでこんな地獄を見せられなくちゃいけないんだろう。

先生からは、懇切丁寧な説明を受けた。福ちゃんの癌はかなり進行してしまっていること、やはり根治は不可能であること、そして高齢であることを考慮して、積極的な治療はせず、痛みや症状を抑えて状態を上げる治療をしていこうという方針を一緒に決めた。凄く良い先生でよかった。今日は点滴と抗生物質を打ってもらい、次は2週間後にまた抗生物質を打ちに来るように言われた。また、家では鎮痛剤と流動食、水をそれぞれシリンジで与えるように言われた。これから介護生活が始まる。僕は別の場所に住んでいるから、週に数回しか帰れないけど…。みんなで頑張って行こう。今まで沢山の幸せをくれた恩返しをしなくちゃ。

…とは言いつつも、実際はこんな状態で生かしておくのはとても可哀想だという思いがある。延命治療が果たして福ちゃんにとって幸せなのか。安楽死という選択肢を取り、早く楽にしてあげた方が良いのではないか。やっぱり大嫌いな病院になんか連れて行ったりせず、そっとしておいてあげた方が良かったんじゃないかとか、色々と思うところがある。でも、こればかりは何が正解かは本当に分からない。

冒頭の方でも書いたけど、今日も病院に連れていくためにわざわざシャンプーをした。ただ、シャンプーの後キチンと乾かし切ってあげなかったからか、病院で体温を測った時には体温が34.9度しか無かった。こんな体温、いつ死んでもおかしくないらしい。さっき言った後悔とはこのことで…

帰りの車では暖房を32度に設定し、家に帰ってドライヤーで温めてあげたりもしたんだけど、身体は冷たいまま。さらに、僕が帰ろうとしたタイミングでいきなり大声で泣きだし、なんだどうしたと思っていたら、吐血してそのまま横に倒れてしまった。そのまま死んでしまうのかと思った。寝ていた猫ハウスからいきなり立ち上がり、寝室の方は歩き出そうとするもよろけて倒れてしまい、また横たわったまましばらく動かなくなったりして…。大声で鳴き出し吐血→おかしな体制で倒れたまましばらく動かなくなり…というのを何度か繰り返していた。21時頃に家を出る頃には落ち着いてたけど、大丈夫なのかな…

心配を引きずったまま帰って来てしまった。どうしようか迷ってたけど、今日は居てあげた方が良かったのかな。今になって少し後悔し出して来ている。だけど、正直もう福ちゃんのあんな姿見たくないんだ。辛くて堪らない…。ずっとそばに居てあげたいんだけど、そんな姿の君はもう見ていたくないんだよ…心が苦しい…

とりあえず、月曜日に仕事帰りに今度はまた泊まりに行く予定。明日一日置いて、心の整理をする。

辛くて嫌だけど、「病気の福ちゃん」にもちゃんと向き合わなきゃ。後で後悔しないように。また、福ちゃんにキチンと恩返し出来るように。。

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