【扁平上皮癌との闘病日記】点滴は出来るようになったけど…

水曜日に、また福ちゃんの点滴をしに実家へ帰った。今回は比較的早く退社出来たし、元々泊まる予定で来ていたので、落ち着いて作業することが出来た。

猫の点滴は人間のと違い、血管に直接針を刺すのではなく、首の皮膚を持ち上げて、肉と皮膚の間の空洞の部分に輸液していく。風船が膨らむように液が溜まっていくんだけど、うまく針が刺せていないとどんどん漏れ出して来てしまう。慣れればなんてことないんだけど、一応医療行為だし、素人が初めてやる時はやっぱり難しい。でもまぁ、とりあえず出来るようになってよかった。お母さんも見ていてくれたので、無理だ無理だと言ってたものの、翌日からきちんと自分でやってくれるようになった。この間は悪く言って本当に申し訳なかったな…ちゃんと感謝しなきゃ。

点滴はしてあげられるようになった。だけど、点滴ってあくまで脱水を防ぐためにやっているだけのもので、栄養は殆ど入っていないから結局ご飯を食べてくれない以上、もう長くはないと思うんだよね…それに、そもそも点滴で延命させたところで、痛みや苦しみが和らぐわけでもない。もうずっと寝たきりで、目も口も開いたまんま。基本的に微動だにしないんだけど、断続的に大声で泣き叫ぶ。時より暴れて、寝かせてあげてる猫ベッドから落っこちてしまったり。右目はまだ見えていると思うけど、瞳孔が開きっぱなしで焦点が合っていない感じ。僕が見つめても福ちゃんはどこか遠くを見ているようで、僕の存在を認識出来ていないように思える。

具合はとても悪い。癌はかなり進行している様子。腫瘍の大きさはピンポン球くらいか。癌に侵された左目は化石のようになり、あらぬ方向を向いている。さらに、左目上部の骨が溶けているのが手で触って分かる。こんな状態になるまで生かしておいて、意味あるのかな…むしろ、もう早く楽になって欲しい。ごめんね、福ちゃん。何も出来なくて…

夜は一緒に寝た。様子が不安なので、電気を点けたまま。全然寝られなかった。何度も起きた。起きるたびに、呼吸が止まっていないか確認。ときより鳴き叫ぶから、ビックリして起きたりもした。また、おしっこをしていたので、トイレシートを換えてあげたり。毛布と毛布の間に挟んであげたホッカイロの位置を変えてあげたり。

介護って大変だな。これを両親にやらせるのは酷だ。僕が実家に居れば、僕が全部一人でやるのに…。福ちゃん、ごめんね。最期にあまり面倒を見てあげられなくて…お父さんもお母さんも…

今日か明日、また会いに行く。点滴の追加分と、切れてしまった痛み止めを貰いに行かないと。点滴、続けていいのかわからないけど…。どうしてあげるのが正解か。何しても後悔しそうだ。どうすればいいんだろう…

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