【扁平上皮癌との闘病日記】福ちゃん、さようなら。

昨日は仕事を早退し、福ちゃんのお葬式を行った。17時から予約していたんだけど、なかなか上がれなくて。本当は早目に帰ってきて、じっくり手紙を書いたり、最後にゆっくり福ちゃんと対話したりしたかったんだけどな。会社を出たのは結局15時半。家に着くと同時くらいに、葬儀屋さんから到着したとの電話が入った。まぁ、早退してこられただけ良かったと思うしかないな。

葬儀屋さんが、福ちゃんと対面。どんな猫だったのか、家族とこれまでどのような生活を送って来たのか等、たくさん話を聞いてくれた。物凄く丁寧で、心の優しそうな人。全く事務的な感じはなく、僕ら家族の間を凄く大切にしてくれた。良い人に当たったな。

一通り福ちゃんの話をした後、福ちゃんを猫ベッドから棺に移動。抱き上げた時、身体がとても固く冷たくなっている事に衝撃を受けた。夜にはまだ、柔らかさもあったのに。血流が止まってしまったため、鼻も肉球も真っ白になっていた。あぁ、本当に死んでしまったんだな。と、再認識。

お花や手紙、生前大好きだったご飯を周りに添えてあげた。

そして、御焼香。

お焼香の際、弟が泣き出す。普段、基本的に両親には冷たい弟。両親の前では怒りの感情しか見せない弟が、あんなに泣いていたのは驚きだった。本当に悲しいんだな…僕はまたしてもつられてしまい、もうそこからは涙が止まらず、ぐちゃぐちゃに泣きじゃくった。

続いて、読経。般若心経を詠んで貰った。僕は般若心経の意味は全く分からないけど、あぁ、これは死者に向けた弔いの気持ちを最大限に向ける手段として存在しているものなんだなと、無知ながらに強く感じた。

仏様を信じることって、精神的な支柱になるんだよね。今回、それを身にしみて感じた。辛く悲しいことがあれば、人って神様や仏様に救いを求めるんだ。日本人の場合は、大多数が仏様か。今の僕も、多分に漏れずそう。昔は仏教を信じるなんて正直バカにしていたけれど、今は僕も、是非そこに救いを求めたいと思う。この心に空いた大きな穴、やり場のない悲しみはどうすればいい、どこに向ければいいのだろう。今はまだ分からないけど、きっと仏教にはその答えがあるのだろう。僕のこんな気持ちとかをどうにかするために、人間が編み出したずっと昔から存在する知恵なのだから。ちょうど鎌倉も近いし、今まであまり興味が持てなかった寺院や仏様の知識も勉強してみようかなと思う。

読経が終わり、暫く福ちゃんとの最後の時間をみんなで過ごす。ミケも連れて来てみたけど、意外と逃げない。普段は仲が悪く、滅多に近くには寄って来なかったんだけどな。まぁ、それはどちらかと言えば福ちゃんの方か。笑 ミケは結構、ずっと歩み寄る姿勢を見せていたかも。

動物って人間よりもずっと鼻が効くから、死に対してはかなり敏感らしい。「あ、死んだな」っていうのが、臭いで分かるんだって。ミケもそれが分かっていたのか、なんとなく福ちゃんを心配?しているように見えた。

棺の縁をペロペロしたり、暫く側に留まって座ったり。ミケもありがとう。きっとミケなりに、福ちゃんに挨拶をしてくれたんだね。

陽が沈む頃に、僕らは福ちゃんの棺を担いで、家の外へ。いよいよ出棺の時間だ。

家の側の、この場所で焼いて貰った。

この日の空は、とても綺麗だった。マジックアワーの空が、哀愁を漂わせる。そんな切ない雰囲気と相まって、僕はまた泣いてしまった…

時より、車の屋根から火の粉が舞うのが見えた。福ちゃんが昇って行く…

福ちゃん、本当に素晴らしい日に旅立つことが出来たね。程よく暖かくて、空もこんなに綺麗でさ。まるで空に昇っていく君を、天が温かく迎え入れてくれようとしているように思えたよ。安心して最後のサヨナラが出来た。迷わず、真っ直ぐ天国に行くんだよ。

最後にお骨を拾って、納骨。僕は、福ちゃんの特徴である鍵尻尾の部分の骨を、御守りにする為に手許に残しておくことにした。

最後に、僕が福ちゃんに書いた手紙。時間が無くて、ほぼ殴り書きだけど、、、

思いの丈をたっぷりと、と言うわけにはいかなかったけど、最後に伝えたかった事は伝えられたと思う。

福ちゃん。約15年間、毎日僕らに沢山の幸せをくれて本当にありがとう。君と過ごした日々は、一生の宝物にするよ。また必ず、どこかで再会しようね。

ではその時まで。さようなら、福ちゃん…

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